2008年08月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

BLOG

2008年02月24日

【せなか企画】 せな★せな 7−3話  「ソードオブサンフラワーで王の名を語る不埒者を成敗なさいませ」



せな★せな 7−3話
「さあ! その伝説の剣、ソードオブサンフラワーで王の名を語る不埒者を成敗なさいませ」




 そこは等活地獄だった。
 不死身(に限りなく近い)の肉体を持つクス・クスの戦士同士の戦い。
 互いの拳を頬に、腹に、レバーに叩き込みながら、決してどちらも引くことなくニヤリと笑みを浮かべている。
 それは戦士としての性(さが)が見せる、あくなき強さ絵の渇望の表れだろう。
「くらいやがれぇ! このまねっこめぇーーー!」
「笑止! その動きはもう見切った!」
 いつものマカマカの声と、ちょっと言葉遣いが仰々しいマカマカの声が上がる。
 一度宙に跳ぶと、数十手の攻防が繰り出されている。
「はは、はははははは! お前すごいな! こんなに殴ってるのにまだ生きてる!」
「お前も素晴らしい! あたしの手が痛くなってるのにまだ立っているじゃないか!」
 物騒な言葉の応酬も、本人達にとっては互いを褒め称える最上の言葉なんだろう。
「続き、いくか!」
 マカマカA(鼻血を出している方)が再び拳を握り締める。
「望むところだっ!」
 マカマカB(左目を腫らしている口調が仰々しい方)は床を蹴り、距離とつめることでその返事とした。
 再び交差する二人の戦士。
 拳が相手の体を捕らえる度に、衝撃波のような物が生まれ、彼女達の周囲にあるものを粉々に破壊して吹き飛ばしていく。
 時間の経過と共に、メイド喫茶の備品はどれもこれも例外なく破壊されていく。
 マイムが笑顔のまま静かに電卓をたたいているのがとても怖い。
「すげぇー生でドラゴ○ボールの戦闘見てるみたいだ」
 リアルな戦いというものを目の当たりにして、俺は感心する。
「どうやらガンゲ・ル・ペッドは見た目だけでなく、その対象となる者のポテンシャルも完全に模写するようですね」
 クラヴィエが冷静に二人の戦闘を見ながらつぶやく。
「拳の速度、狙おうとするポイント、攻撃する前の癖、すべて同じです」
「え? お前あれちゃんと見えてるの?」
「はい。侍女ですから」
「いや、それあんま意味わからないから」

 ズバン! ズガン! ダダダダダダダ!

 バキャーン!

 マカマカ×2の戦闘により、「しぐまいむ」に残っていた最後のテーブルが砕け散った。
 同時に、マイムが手にしていた電卓がメキョリ…と音を立てて握りつぶされる。
 いつも温和な笑顔のメイドロイドのマイムは、やはりいつもの笑顔のままだった。
 それがとてつもなく怖い。
「…マイム」
 無垢なる狂戦士の二つ名をもつ戦闘ドロイド・シグマが不安そうな顔でマイムをみた。
「シグマ、お願いしますね」
 にっこりと、笑顔でマイムは言う。
 シグマはその笑顔にビクリと体を震わせた。
 どうやらおびえているようだ。
「ちゅ、中立戦闘区域での戦闘示威行為に対する迎撃命令確認。これより鎮圧する」
 いつもより少したどたどしさの残る声で言うと、シグマはバーニアの出力を全開にして、赤い戦士達の戦う場所へと飛んでいった。
 ──結果…。
「なんだこのデク人形があぁぁぁ! 邪魔するなあああぁ!」
「我らが魂の咆哮に水を差すなっ! 去れっ!」
「鎮圧対象の戦闘能力の解析完了。迎撃武装限定解除」

 パキーン! と頭の中で何かが割れるようなエフェクト。
 次の瞬間、シグマは装備している全ての飛び道具を起動させ、ぶっ放す。

 チュポポポポン! チュィーン! チュボーン!

「おお! すげぇ! 種割れのフ○ーダムだ! 七色光線だ!」
 シグマの放った攻撃は、マカマカ達の頭やら腕に命中していく。
 でも、その殺さずの攻撃が有効なのは、あくまで胸部や腹部にコクピットのあるモビルスーツに対してであって、生身の人間(?)に対しては必殺の攻撃以外の何物でもない。
 目の前で姉をフルボッコにされたティティは一体どんな気持ちだろうか。
「魔王さま〜、ほら、ここをこうしてこうすると…(はぁと)」
「ひゃうううっ、ら、らめ…っ、もう…はうううぅぅぅぅ」
「逃げちゃ駄目ですよ。私の技は108式まであるんですからぁ〜(はぁとはぁと)」
 姉の危機など気にも留めず“技”を披露していた。
「こ、こんな…ここまでして…ただで済むと思ってないでしょう…ひゃふぁあぁあああっ!」
 チビ姫はもう逃げることもできないらしく、動きらしい動きといえばビクッビクッと痙攣するくらいか。
 そんな主人の元にそっとクラヴィエは近づくと耳元で囁いた。
「姫さま、ここは「くやしいっ、でも感じちゃう」です」
「え? なんでそれ知ってるんだ?」
「この星の一般教養として認識させていただきました」
「いや…それが一般的として認識されるとちょっと困るんだが…」
 俺の部屋に出入りしているせいか、異文化コミュニケーションは間違った方向で形成されているようだ。

 チュババババババババババババ

 そんな俺達の会話の間も、シグマの攻撃は容赦がない。
 すでにマカマカ×2のいた場所は煙の壁のような状態になっていて、シグマはその壁に向けて攻撃を続けている。
「マイム、そろそろシグマに停戦命令を出したほうがいいんじゃないのか?」
「いえ、シグマが手を休めないということは、攻撃対象にまだ戦力が残ってるということなんですよ」
「いやー…それってつまりは動かなくまで攻撃をやめないってことなんじゃ…」
「うおあああああああああ! 熱いーーーーー!」
 煙幕の中からマカマカの悲鳴というか雄叫びが聞こえてきた。
「ね、まだ大丈夫そうじゃないですか」
 にっこりと微笑むマイム。
「あの程度で斃れてくれる姉なら、私も苦労していません」
 襟元を正しながら満足げな表情でこちらにやってくるティティ。
「あれ? そっちは終わったのか?」
「いえ。魔王さまがお休みになられたので小休止といたしました。あと82式ほど残っていますけど、お目覚めになられたらご奉仕の続きをしようと思います」
 ティティのその言葉に、お休み中のはずのチビ姫がビクリと震える。
 起きた瞬間が地獄(いや天国か?)の再開となるんだろう。
「姉は不可能を可能にする女ですから」
「あー、そうだなぁ、宇宙空間を泳いできたんだもんなぁ。ムウ・○・フラガもヘルメット吹っ飛ばされたのに生きてたもんなぁ」
「あれはスペシャルエディションでは修正されていました。あのような強引な辻褄合わせはどうかと思います」
 眼鏡の位置をクイッと指先で調整しながらクラヴィエは語る。
「…詳しいな…」
「たしなみ程度です」
 いや、十分ディープです。
 俺はいまだ止まない弾幕を再び見る。
 しかしシグマの撃ってるエネルギー弾は無限か? いつまでも撃ち続けている。
「!」
 不意にシグマの瞳が動いた。表情こそ変えないが何かを察知したらしい。
 バーニアの向きを下方に向けると、斜め後ろに飛ぶ。
 それと同時だろうか、煙幕の中から煙を手で掻き分けながら飛び出してくる影が一つ。
 体のいたるところを焦がしたマカマカだった。
「うああああああああああああああああああああああああああああ!!」
 こうなってはAかBかどっちかわからないが、とりあえずマカマカが獣のような動きで一気にシグマとの距離を詰める。
「………」
 シグマも冷静にマカマカの動きを計算してバーニアの出力を調整して宙に浮かぶ。
 おそらく、マカマカの体力では届かないギリギリの位置にいるんだろう。
 しかしマカマカはそれを気にすることなく明後日の方向に向かって走り出した。
 いや、違う…壁に向かって走っている。
 マカマカは、力強く床を蹴り、その勢いで壁を蹴る。
「シグマ!」
 マイムが叫んだ。
 虚を突かれたシグマは空中でマカマカに捕らえられる。
 動きを封じられたシグマはその勢いのまま、床に墜落する。
 そして──…
「んむちゅ〜」
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」
 マカマカに濃厚なキスをされていた…。
「んむんむ…んちゅ〜…んれろれろ」
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」
 一同呆然。
 シグマは目に涙を浮かべながら、体を硬直させている。
 たぶん、今自分の身に何が起こっているのか理解できていないんだろう。
 そのくらいイレギュラーな事態だ。
 マカマカはそんなことお構いなしにメカ幼女の唇をむさぼっている。
「…舌、入ってるな」
「入ってますね。かなり深くまで」
「姉さま、あんなにテクニックがあったなんて」
「あら、シグマも大人の階段を上り始めちゃいましたね」
 冷静に二人の状況を分析する俺達。
「おそらく、あそこのマカマカさまがガンゲ・ル・ペッドですね」
「そうなのか?」
 クラヴィエがつぶやきに俺は問い返す。
 それに答えてくれたのはマイム。
「先ほどのシグマの攻撃で、マカマカお嬢様より強いと認識しちゃったんですね。それでガンゲ・ル・ペッドは本能的にシグマの擬態を求めちゃったんだと思います」
「はー、なるほどねぇ。んでディープキスなわけか」
 唾液に含まれているだろうDNA情報を採取して、その個体を模写、擬態するというわけか。
「ん〜〜〜…ちゅぽん!」
 満足したマカマカ(ガンゲ・ル・ペッド)はシグマとの間に見事な銀色に光る液体の渡り橋を作った。
 シグマは床に倒れたまま目を見開き、呆然と天井を見詰めてる。(いや、正しくはたぶん何も見ていない)
 ガンゲ・ル・ペッドもまたフラフラと立ち上がると、呆然とした表情で天井を見上げた。
 そしてビクン!と見た目にヤバげな痙攣を一つする。
 すると次の瞬間には、みるみるうちに体を小さくしていき、一つの小さな豆になってしまった。
 皆がその前を注目する。
「…なんだこれ? 豆になったけど…節分の大豆か?」
「それがガンゲ・ル・ペッドの種子ですよ。元に戻っちゃったんですね」
「なんで?」
「戦闘ドロイドのシグマに生物としてのDNA情報はないですから。擬態のしようがなかったんですね」
 マイムは豆になったガンゲ・ル・ペッドを持ち上げながらそういった。
「これがあの魔王さまになっていたんですね」
 ティティが物珍しそうに近づくと、ペチペチっと種に触った。
 すると種はいきなりビクンと震えた。
 まるでサナギから蝶が羽化するように、種がみるみる形を変えていく。
 そして、また見知った姿になった。
「わたしはワーニャ・ド・フラゴラセリ・ピタ・メルクール・ノバ・ゾビス。タウル・ゾビスの王位継承者です」
 またあの王族の気品を携えたチビ姫が現れた。
「はああああぁ、魔王さまぁ〜(はぁとはぁと)」
「な、なんでだ?」
「ティティさま、失礼ですがその手は濡れているようですが何でしょうか?」
 クラヴィエが指摘するように、種に触った手は確かに濡れている。
 ティティは顔を赤くしながら言う。
「これは〜、魔王さまの○液です〜(はぁと)」
 予期せぬ形でガンゲ・ル・ペッドはDNA情報をGet…。
 まぁ液体ってことで身に滲み易かったのかもなぁ。
「さて、またシグマにチューさせるか?」
 ちらりと倒れているシグマを見る。まだ放心状態だ。
「それでは解決になりませんので、ここは一つ無害なものに擬態させてしまいましょう」
 そう提案してきたのはクラヴィエ。胸には黒と白のストライプ模様の種を抱いている。
「ひまわりの種?」
「はい。こちらをこのトボス・タタンにて成長促進させます」
「ふむふむ」
「そして大きく育ったこの花で、チビ姫さまを完膚なきまでぶちのめして下さい」
「………」
 今、この侍女…チビ姫とか言った…。
 まぁいいや。こいつの黒さは周知の事実だろうし。知らないのは主人のワーニャくらいだろう。
「えーっと、でもなんで俺がやるんだ?」
「成長したひまわりを私どもが持てるとでも?」
「シグマとかマカマカなら…」
 と、言いかけて、二人が床に倒れているのを思い出す。
「急がないとまたティティお嬢様がワーニャお嬢様に襲い掛かっちゃいますよ」
「それはまずいな」
 チビ姫→ティティ→ビキニ鎧のコンボがまた始まる。
「はぁはぁ、魔王さま〜〜(はぁと)」
 やばい、すでにティティ暴走寸前。
「クラヴィエ、俺にひまわりを!」
「かしこまりました。『成長促進光線〜〜』」
 今となっては懐かしいあの口調と共に押される万能ワンボタンデバイス。
 ひまわりの種は先の方からニュリ…と白い芽をだしたかと思うと、ビデオの早送りのような動きでみるみる成長していく。
 5秒ほどで、俺の身長よりでかいひまわりが完成した。
「さあ! その伝説の剣、ソードオブサンフラワーで王の名を語る不埒者を成敗なさいませ」
「うわぁ…かっこ悪ぅ…つーか単なるひまわりじゃん」
 俺は手にしたひまわりを構えながらげんなりする。
 にしても意外と重い。花の部分なんか、俺の顔より大きいし。剣というよりは槍だな。
「じゃあいくぞ!」
「なにをするつもりです。わたしをゾビス王家の者と知っての狼藉か!」
「いやー、おまえに恨みはないけど、その姿形にはちょいとばかし恨みがあるんでなぁ、運がわるかったな」
 俺はにっこりと微笑んでひまわりを頭上高く掲げ。
 そして力いっぱい振り下ろした。
「ぷぎゃ!」
 小さな悲鳴があがる。それと同時にクラヴィエが叫んだ。
「今です! 皆さんひまわりを褒め称えてください。ひまわりは強いということをガンゲ・ル・ペッドに教え込ますのです」
 その意図を汲んでか、ティティが迅速に動く。
「魔王さまがんばってください!」

 コキッ

「はうっ」
 ティティがマイムの手によって落された。
「さあ、ご主人様。続きをおねがいします」
 にこりと微笑むメイド。たぶん、一番逆らっちゃいけないタイプだ。
 俺は気を取り直してひまわりを振りあげ、ガンゲ・ル・ペッドに向けて振り下ろす。

 ズビシッ!

「すごい! さすがはひまわりさま! 黄色は伊達ではありませんね!」
「ひまわりさまはお仕えしたいご主人様ナンバーワンなんですよ」

 ズビシッ!

「ひと夏に1000以上の種を作るなんて、とても精力旺盛です。まさに王者といえましょう」
「太陽に向かうそのお顔は、とても凛々しいですね」

 ズビシッ!

「ひまわりさまは太陽、そうまさに王家の象徴でございます」
「硬く逞しい茎は、お仕えしていく者に安心感を与えてくれます」

 ズビシッ!

「ひまわりさま、最高です」
「ひまわりさま、素敵です」
「あー…とてのこの状況に疑問があるんだが、すっげー危ない集団じゃね、俺達?」
「考えてはいけません。感じてください」
「いや、そう感じたから訊いたんだが…」
 ひまわりの花の下敷きになっているガンゲ・ル・ペッドを見ながらつぶやく。
 と、その時、手に何か盛り上がるような感触を感じた。
 ひまわりが押し戻されている…?
「どうやら成功のようですね」
 クラヴィエが眼鏡のフレームを指で押しながら言った。
 そしてあれよこれよと言ってる間に、大きなひまわりがそこに生まれた。
「おー、りっぱなひまわりだな」
「やはり植物は植物らしく地面から生えているのが一番なのです。ということでこれを植えてください」
「え? 俺? …だよな、大きさから言ってお前らじゃ無理だもんな」
「そういうことです」

 俺はせなか荘のよく陽の当たるところにガンゲ・ル・ペッドを植えた。
 しかし…。
「なんだこのひまわりは…」
 太陽の方を向くはずのその花は、全く正反対の方を向いている。
 落ち込んでがっくりとしているようにしか見えない。花が逆行なのがそれに拍車をかけている。
 まぁ素直じゃない植物なんだな。
 たしかにチビ姫の時もティティの時も昆虫女の時も性格が微妙に違ったし。
「ん?」
 ふと見ればシグマがジョウロを持って飛んできた。
「マイムがおしごとくれた」
「そうか、がんばれよ」
 マイムはひまわりを見上げるとポツリとつぶやいた
「さみしそう」
「一本しかないからな。でもこいつが種を作ると次の年には沢山のひまわりがはえるぞ」
「…このひまわりは?」
「あー、うん、その時は枯れちゃってなくなってるな」
 結局はこのひまわり…ガンゲ・ル・ペッドは一人ぼっちということには変わりないわけだ。
 俺の言葉にマイムはじーっとひまわりを見つめていた。
 その無垢な瞳で何を思い、感じているんだろうな。



 クラヴィエの持つ万能ワンボタンデバイスのおかげで、すっかりと元通りになったメイド喫茶『しぐまいむ』。
 その一角で皆が集いアフタヌーンティーを楽しんでいた。
「ひどい目にあったわ。なんなのよ今朝のは。まったく植物のくせにこのわたしを語るなんて」
「魔王さまはお一人いれば満足です〜(はぁと)」
「な、なぁティティ、姉ちゃんのことを…その…“お姉ちゃん”て呼んでくれねーか? な?」
 それぞれが思い思いのことをぼやいている。
「それにしても、今回の件ですが、どのタイミングでガンゲ・ル・ペッドの種が節分のお豆と混ざったのでしょうか」
「ていうか、その前に節分の豆って誰が用意したんだ? 俺買いに行ってないんだけど」
「そいういえばマイムさまが“しぐまいむ”の食料庫にあるのを使っちゃいましょう、と言っていました」
 ティティが思い出したように言う。
 そういえばマイムの奴…、ガンゲ・ル・ペッドのことがわかったと言いに来る時、厨房から出てきたよな。
 それって…食料庫の在庫に誤差があったからとかで…。
 全員でマイムの方を見る。
「ガンゲ・ル・ペッドの種子は香ばしくてとても美味しいんですよ」
 特に悪びれた様子も無く、ニコリと微笑みガンゲ・ル・ペッド料理の宣伝を始める。
 嫌な予感がした。
「ところで気になるんだけど…他の豆って…」

 ドガガーーーーーーーン!

 俺が言い切るより先にコトは起こった。
 「しぐまいむ」の扉をけたたましい音を立てて開ける人影が大量に…。
『わたしはワーニャ・ド・フラゴラセリ・ピタ・メルクール・ノバ・ゾビス。タウル・ゾビスの王位継承者です』
『魔王さま、わたくしの運命を司るお方よ。全てはあなた様の御心のままに』
『あたしより強い奴に会いに行く』
 ガンゲ・ル・ペッドの群れが現れた。
 それぞれの擬態が1ダース分ずつくらいいる。
 それを見てクラヴィエはコホンと咳払いを一つして俺を見た。
「さあ! 伝説の剣を再びかざしなさい! ソードオブサンフラワーを持って王家に害成す者に鉄槌を!」
「おまえ、それ気に入ってるのか?」
 俺はげんなりしながらも、ひまわりを手にする。
 ちょうどそこにシグマが帰ってきた。
 大量のワーニャとティティとマカマカを見てうろたえる。
「シグマ、よかったな」
 俺はひまわり──ソードオブサンフラワーを頭上高く掲げるながらシグマに言った。
「あのひまわり、さみしくなくなりそうだ」


〜つづく〜


文・魁(ビジュアルアーツ・mana)
イラスト・駒都えーじ


【せな★せな 関連情報】
せな★せな 1−1話 「ここはわたしの宇宙船よっ!」
せな★せな 1−2話「おまえじゃなくてワーニャ姫よっ!」
せな★せな 1−3話 「我が王家の名において、わたしの奴隷になりなさいっ!!」

せな★せな 2−1話 「魔王さまに捧げるために、この身をしかと清めてまいりました」
せな★せな 2−2話 「あたしの妹をいじめたのは、どいつだっ!!」
せな★せな 2−3話 「あ……魔王さまのここ、柔らかくて温かい……」
せな★せな 2−4話 「四の五の言わずに戦って死になさいっ!」

せな★せな 3−1話 「未登録宙域における戦闘示威行為を確認」
せな★せな 3−2話 「この落とし前どうつけてくれちゃう気よっ!」
せな★せな 3−3話 「ご主人さま、お嬢さま、大変長らくお待たせいたしちゃいましたぁ!」

せな★せな 4−1話 「世界の中心日本橋にどーんと自社ビルや!」
せな★せな 4−2話 「クラヴィエ、行きまーす!」
せな★せな 4−3話 「よくわからない悪の黒幕的ななにかっ、覚悟しちゃいなさいっ!!」

せな★せな 5−1話 「わたしの美しく清らかな肌を見てるんじゃないわよっ!」
せな★せな 5−2話 「女性の魅力溢れる私の身体に何か?」
せな★せな 5−3話 「まいむのおむね、やわらかい」
せな★せな 5−4話 「なにすんのよ、このエロ下等触手生物ー!」

せな★せな 6−1話 「クス・クス最強の戦士であるアタイが、なんの因果か下っ端メイド……」
せな★せな 6−2話 「なんでこのわたしが、こんなみっともない格好をしなくちゃいけないのよっ!」
せな★せな 6−3話 「お帰りなさいませ、ご主人さまっ(はぁと)」

せな★せな 7−1話 「まずは脱いでください、話はそれからです」
せな★せな 7−2話  「こういう時のために色々と技を考えていたんだ」

2月の連載は魁さん×いとうのいぢさん&ごとPさん&こつえーさん
せな★せな Vol.1発売 まさに「てんしょん・まっくす!!」・・・な1冊
冬コミ情報公開。ラノベ装丁で350P超えになりました。
せな★せなキャラクターソングCD、Comic FANBOOK発売 「一曲一曲の破壊力がとんでもないです。」
せな★せなキャラクターソング集 ショート版&ジャケットイラスト公開!
コミックガム12月号発売 「せな★せなコミック連載ハジマタ!!キタキタキタキター!!」

このBlogのトップへ

トラックバックURL

このBlogのトップへ

BLOG検索

このBlogのトップへ

参考BLOG&友人BLOGリンク

このBlogのトップへ